「地球の危機より運動会が大切だと言った男」電子漫画
エネルギー使い、西埜さんの子供の頃の体験談をもとに、漫画にしたものです。読者の方よりご要望がありましたので、再掲しておきます。
~ 後日譚 ~
後日ご本人から聞き出したことですが、七色の人(漫画の中では塀の上にいた虹色の人)はアメノミナカヌシでした。
「そのおじいさん、アメノミナカヌシでしょ。そうですよね。」としつこく聞き続けていたら、ある時ついに首を縦に振りました。
といっても古来より人間たちが便宜上いろいろ名前を付けて読んだだけで、絶対の固有名詞があるわけではありませんけどね。
物心ついた頃からいつも一緒にいて、西埜さんは幼少期は長期入院をしていたので、一人でいることが多かったのですが、誰もいなくなるとこの七色の人が迎えに来てくれて、「じゃ、行こうか」とにこにこ宇宙船に載せてくれて、あちこち連れて行ってくれたそうです。
帰る途中で神社の上空を飛んだ時は、下を見ると境内の端の森で若い男女が寝転んでいるのを見つけて、何事かと身を乗り出そうとしたら、おじいさんがニコニコしながら口に指を縦に当てて「しーっ」と言ったので、そっとしておきました。
というわけで、大人たちは西埜少年のことを、小さいのに入院して一人ぼっちでかわいそうと言っていましたが、実は本人はおじいさんとワクワクの冒険の旅に出ていたので、毎日が面白くてしょうがなかったんですって。
そして問題となったあの箱は、別の場所に収めたそうですが、もうすでにその役目は完全に完了しているとのことです。契約の箱ってこれのことでしょうかね。
少年が運動会に向かう前に少女とお別れするシーンですが、
誰にも話せない世界の未知を分かち合える人とようやく出会えたのに、
もう二度と会えないんだ、また一人になってしまう、というのは
子供心にとてもしんどかったそうです。
今でこそスピリチュアルな話題がSNSで気軽に話されるようになりましたが、
60年前は禁句だらけで大変だったことでしょう。
そして女の子はそんな少年のことを心配そうに、慮りのエネルギー一杯に、
見守って、見守って、少年の姿が観えなくなっても、いつまでも見送っていたそうです。